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りら

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野菜しか食べない人たち

野菜しか食べない人たち

なぜベジタリアン?
ベジタリアンになる理由は動物愛護、環境保護、健康のため、宗教などひとそれぞれです。日本の統計は手元にありませんが、世界中でベジタリアンになる人が増えています。

ベジタリアンには、食べる物によっていくつか種類があります。詳細は日本ベジタリアン協会のサイトで「ベジタリアン情報」をご覧下さい(私は会員ではありません。
参考としてリンクしてます)。

私がベジタリアンになったのは、動物への感傷的な思いからでした。子どもの頃から、今まで飼っていた豚や鶏を殺して食べてしまう農家の人を見て、なんとなくふっきれない気持ちを抱いていました。でもその頃は、周囲にベジタリアンなどいませんでしたし、大人たちは皆当たり前のようにいろいろな肉を食べていましたから、私も食べました。

大人になって豚の「死体」がごろんと置かれている市場へ行く機会がありました。そこで思ったのです。私は自分で豚を一頭殺して、その肉が食べられるだろうか。結論はノー。そこであっさり食べないと決めました。この考え方を他の食べ物にあてはめてみたら、動物性のもの全部が食べられなくなりました。食べないのを我慢しているのではなく、食べたくなくなったのです。

肉や魚を食べることを否定はしません。食生活はその人たちのおかれた環境に深く関わるものだからです。私は食べない、と決めただけです。私の住んでいるところには、魚釣りができる川や海、狩りができる森林はありません。狩猟や漁業で生計を立てていない私にとって、ベジタリアンであることに不都合はありません。

ベジタリアンと栄養
野菜ばかり食べていると栄養が偏りませんか? と聞かれます。自分なりに調べてみましたが、大人になってからベジタリアンなった人がかかりやすい病気や、先祖代々ベジタリアンだった人たちに共通する健康上の問題は報告されていません。欧米では、健康を理由にベジタリアンになる人が増えている現状を考えると、むしろ何でも食べる人より栄養の偏りはないようです。

自ら進んでベジタリアンになった人は、食べ物に気をつけるようになりますから、より健康的かもしれません。基本的な回答になっていないかもしれません。バランスのとれた食事をしている人がどのくらいいるかが問われている現代、ベジタリアンを食生活改善策の選択肢だと考えてはどうでしょうか。

栄養学はとても複雑で、何をどれだけどう調理して食べるのがいいか、ひとつの答えは出ていません。個人差がとても大きいことは周囲を見ればすぐに分かります。

たとえば、喫煙。たばこは食べ物ではありませんが、どちらも直接体に入るいう点では共通します。この煙が肺ガンのもと、命を縮めるというデータはあるものの、百歳を祝ったお年寄りがスパーっと一服しているのを見たら、『なんだ、大丈夫じゃない』と思ってしまいます。たばこを吸っていても長生きしている人には、喫煙の害とバランスがとれる何かがあるからでしょう。

喫煙だけに限れば、やっぱり体には悪い。しかし、医師の言うことを聞いても長生きするとは限りません。不養生をした人が長寿だったりする、そういう例があれば、事実ですから否定できません。ここからは個人の判断と選択です。

食べ物が私になる
では、私はどうする? そう考えて出した結論が、「自分が毎日何を食べているかくらいは知っておこう」でした。食べ物は、直接口から入り、私を作ってくれる大切なもの。相手を知らなければ非難も感謝もできません。

ベジタリアンになったついでに、オーガニックな(有機栽培された)作物を選んで食べるようになりました。それまであまり気にしていなかった農薬や化学肥料ですが、体にいい訳がない、と、当然のことに改めて気づいたからです。

有機/無農薬・無化学肥料
有機栽培(オーガニック)と無農薬・無化学肥料栽培の違いは、畑の土にあります。日本では、その畑で農薬・化学肥料を3年以上使っていないこと、土壌からそれらの成分が検出されないこと、などの条件をクリアすると、しかるべき機関から認証がもらえます。しかし、畑は地続きですから、自分の土地で不使用でも、隣の畑から侵入してきます。一軒の農家だけ張り切っても認証を得るまでにはいたらないのが現実です。

無農薬・無化学肥料は、「この作物を作るために農薬や化学肥料は使いませんでした」という事実を示しています。有機栽培を目指して転換期にある畑などが、このような表示になります。

実際にはほとんど農薬をわずに作っているのに、認証がないために表示できないジレンマを味わっている農家もあります。詳しく知りたい場合は、生産農家の連絡先が書いてある商品なら、直接問い合わせてみてもよいでしょう。

有機栽培野菜が高いわけ
文章を簡潔にするために、ここからは無農薬・無化学肥料も含めて有機と呼ぶことにします。

有機栽培は、農家一軒では難しいと書きました。それなら地域で協力して取り組めばいいものを、と思うのは自然なことです。でも、一度知ってしまった便利な分明の力を今になって手放せと言われても、と腰を上げてくれない生産者が大半です。

無農薬で育てるとなると、虫はつくし、雑草は生えるし、その大変さは農家にしか分からないものでしょう。都会で暮らす人たちに、電気を使うな、というに等しいくらいの大転換かもしれません。

有機栽培品が高いのは、手間がかかるからです。それでも10年前と比べたら、とても買いやすい価格になっています。安全のために無農薬栽培を実施している農家の方々に、これからも作り続けてほしいので、私は高くても有機栽培の作物を買います。いい素材を使えば、シンプルな味付けでおいしい料理ができます。

売っている店がない
自分で米や野菜を作るとしたら、あなたはどうしますか? 「自分たちも食べますから」と言って、出荷する作物もすべて有機栽培に切り替えた農家の方がいました。一方で、家族用には有機、商品として出荷する畑は従来通りという農家がいることも教わりました。

みんな有機栽培がいいと分かっているのです。なのに、なぜ近所のスーパーマーケットでは売っていないのでしょうか。

「曲ったきゅうり、大きさがそろわない大根、虫食いのあるホウレン草はスーパーマーケットで仕入れてくれません」。売れないからです。これは消費者の責任でもあります。

虫食いがあると、見た目に悪いことは確かです。しかし、目に見えない農薬の方が恐いことに気づいてください。

アトピーとアレルギー
アトピーやアレルギーでつらい思いをする人が増えています。原因は、農薬だろうと言われています。でも、食べるものをすべて検査する訳にはいかず、犯人を特定できずにいることが、問題の解決を遅らせています。薬もあるのでしょうが、体内から農薬や食品添加物を取り除けば、変化があると思います。

さいわい、アトピーでもアレルギーでもない人は、何を食べても一応大丈夫です。すぐに具合が悪くなることはなくとも、すこしずつ体をむしばんでいく、そう思っていた矢先、環境運動を長く続けている方に、「お茶を煎じて飲んでいるつもり? あなたが飲んでいるのは農薬よ」と、言われました。こうなると、有機栽培以外の物はダメ、自然食品店の隣にでも住まない限り、買えるものがありません。

これでは現実的な提案とは言えません。

不思議と未知
食べ物には、まず感謝。そして好きなものを食べればいい、と思います。いろいろ書いたわりには大雑把な結論です。個人的にはベジタリアンでオーガニックな食事をする人が増えることを望んでいます。でも、無理をすればそのストレスの方が体に悪いでしょう。

私たちはこんなに複雑な食物(しょくもつ)の世界と、毎日付き合っています。人間の体は不思議、自然は未知の力。それが分かればいいんじゃないでしょうか。この文章を読んでくれているあなた。食べ物を見直すだけで、日々の行動が変わってくるかもしれません。あなたが変わると世界も変わります。もちろん、よい方へ、です。

りら





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